【FP監修】ウォシュレットは火災保険で修理!経年劣化・トイレつまり・便座交換

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仕事から帰ってきたら、ウォシュレットから水漏れがあり洗面所が水浸しになっていた。そんなときには火災保険を利用できるって知っていますか?ところが火災保険においてウォシュレットのトラブルというのはかなり煩雑で、補償の対象になるかどうかの判断が難しくなっています。

そこでここでは、ウォシュレットと火災保険の関係について、分かりやすく解説していきます。ウォシュレットの故障を火災保険で修理したいという人や、ウォシュレットによる損害を火災保険で補償したいという人はぜひ参考にしてください。

ウォシュレットと火災保険の煩雑な関係

火災保険の補償対象は、建物と家財の2種類に分けられます。このため火災保険に加入するときには補償対象として、次の3つのパターンが考えられます。

  • 建物と家財を補償
  • 建物を補償
  • 家財を補償

ウォシュレットと火災保険の関係が煩雑なのは、ウォシュレットは種類ごとに家財扱いになるものと、建物扱いになるものに分かれるためです。ウォシュレットはトイレ一体型と組合せ型の2種類ありますが、トイレ一体型は「建物」になり、後付できる組合せ型は「家財」になります。

自宅のウォシュレットが組合せ型だったとします。このケースで火災保険は建物補償のみにしていると、落雷などでウォシュレットが故障しても、補償を受けることができません。ところがウォシュレットが故障してトイレや洗面所が水浸しになった場合、建物補償のみになっていても補償を受けられます。

なぜこのようなことになっているのか、順を追って説明します。

火災保険は補償対象に発生した損害に対して補償を行います。家財を補償していない場合には、どんな理由があっても家財の損害は補償されません。ところが、ウォシュレットの水漏れはウォシュレットそのものの損害もありますが、建物も損害を受けています。

場合によっては床をリフォームしなくてはいけなくなります。この場合は補償対象である建物が損害を受けているので、火災保険で修繕できるというわけです。もちろん建物は修繕できますが、ウォシュレットの修理は自分で行わなくてはいけません。

なんとなく理解はできても、まだモヤモヤしているかもしれませんので、次章では火災保険の対象となる具体例を紹介していきます。

要確認

保険会社によっては判断が違うこともあります。自宅のウォシュレットがどちらに該当するかは、加入している保険会社にお問い合わせください。

火災保険で補償される具体例

ウォシュレットのトラブルで火災保険が適用される具体例を、いくつか紹介します。自分の事例が該当するかチェックしてください。

落雷によりウォシュレットがショートした

建物に落雷があるコンセントを通じて、高圧電流がウォシュレットに流れてしまいます。このときにウォシュレットの部品が耐えきれずにショートして、壊れてしまうことがあります。これはウォシュレットに限ったことではなく、どの家電でも発生するトラブルです。

このような被害に備えて火災保険では「落雷による損害」に対する補償を用意しています。もし加入している火災保険の補償内容に「落雷による損害」が含まれていれば、ウォシュレットを火災保険で修理できます。

ただし、後付できる組合せ型のウォシュレットであれば、家財も補償対象にしている必要があります。もちろんトイレ一体型のウォシュレットは建物が補償されていれば、家財が保証の対象外でも火災保険で修理できます。

停電復旧でウォシュレットが壊れた

ウォシュレットがショートするのは落雷だけではありません。停電から復旧するときに電装基盤がショートして壊れてしまうということがあります。最近は豪雨や台風で停電被害が多発していますが、この停電が復旧するときにウォシュレットが壊れても、火災保険で修理できます。

この場合、補償内容に「不測かつ突発的な事故(破損・汚損など)」が含まれていれば、補償の対象になります。この補償内容は日々の生活の中で、故意ではない想定外の破損があったときに保険金が支払われます。

ただし、壊れた理由や壊れたタイミングがよくわからないという場合には、補償を受けられないケースもあります。

ウォシュレットが壊れて床が水浸しになった

ウォシュレットからの水漏れで、トイレや洗面所が水浸しになった場合は、補償内容に「水漏れ(水濡れ)」が含まれていれば、火災保険で補償を受けられます。すでに説明しましたようにウォシュレットの故障を火災保険で修理することはできませんが、床や壁などの修繕を行えます。

注意

ただし、ウォシュレットの水漏れ原因が経年劣化だった場合には、補償対象外になるので注意してください。ウォシュレットは7〜10年で寿命になりますので、10年以上使っていて、部品交換もしていない状態での水漏れは、補償されない可能性があるので気をつけましょう。

ちなみにトイレの水漏れで、ウォシュレットが故障した場合には、家財を補償対象にしていれば火災保険で修理できます。

電気的・機械的事故特約を付けていた

火災保険には「電気的・機械的事故特約」という特約があります。あまり聞き慣れない特約ですが、空調設備など建物に分類される設備に、電気的事故や機械的事故によって損害が発生した場合に補償を受けることができます。

建物だけが補償対象となっているので、トイレ一体型のウォシュレットのみですが、設置してから10年以内の故障であれば、火災保険の保険金でウォシュレットを修理できます。

免責金額の設定で保険金をもらえないケースもある

上記に該当していて、補償の対象だったとしても、火災保険に免責金額を設定していると、保険金を受け取れないことがあります。例えば免責金額が10万円で、ウォシュレットの修理費用が5万円だった場合、修理費用が免責金額よりも少ないので保険金はもらえません。

免責金額を設定することで、火災保険の保険料を下げることができますが、このように少額の補償を受けられなくなるのでご注意ください。

補償する必要があります。

ただし火災保険に個人賠償責任特約を付けていた場合には、火災保険の補償を使って賠償金を払うことができます。個人賠償責任特約は日常生活において、他人にケガをさせたり、他人の物を壊してしまったりして賠償責任が発生したときに利用でき、階下への水漏れ被害も補償できます。

丸尾
丸尾

個人賠償責任特約はクレジットカードに自動付帯していることもあり、もし火災保険の特約で付けていなくても、階下の被害への補償をカバーできる可能性があります。火災保険の特約に付けていないという人も、クレジットカードに付帯していないかチェックしてみましょう。

保険金請求の手順

落雷や故障でウォシュレットが壊れたとき、火災保険で修理や修繕するためには、きちんと手順を踏んで保険会社に申請をする必要があります。どのような手順で申請すればいいか見ていきましょう。

専門業者に調査・見積書作成依頼

まずは業者に現状を調査してもらいましょう。ウォシュレットの補償を受ける場合には修理業者、床や壁などの修繕補償を受ける場合にはリフォーム業者や工務店に連絡してください。補償の対象になると判断されたら、保険会社に提出する見積書を作成してもらいましょう。

保険会社に連絡・必要書類の提出

保険会社に連絡し、被害状況を伝えましょう。その後、保険会社から必要書類が送られてきますので、内容をしっかりと確認して提出しましょう。このとき見積書や被害状況がわかる写真が必要になります。

保険会社の鑑定人が調査

被害状況によっては保険会社の鑑定人が、修理費用が妥当なのかを確認するために現場を調査します(調査をしないケースもあります)。ここで支払われる保険金が決まります。

保険金の入金

支払われる保険金額が決まったら、指定口座に保険金が入金されます。この保険金を使って修理しましょう。

まとめ

ウォシュレットと火災保険の関係について説明してきましたが、かなり複雑ではあるものの、自分のケースで補償を受けられるかどうか、ある程度判断できるようになったかと思います。ただし、最終的に補償をするかどうかの判断は保険会社が行います。

なんらかの被害が発生したら、まずは保険会社に連絡してみましょう。保険会社に連絡をするときには、下記の3点を紙に書き出しておくとスムーズに手続きを進められます。

  • ウォシュレットのタイプ(一体型・組合せ型)
  • 火災保険の補償対象と補償内容
  • 発生した事故の状況(発生日・原因・損害を受けた物・損害内容)

曖昧な伝わり方をすると、誤解されて補償を受けられないこともあります。せっかく火災保険に加入しているのに、払われるはずの保険金が払われないのはもったいないですよね。丁寧に正しく情報を伝えて、しっかりと補償を受けましょう。