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マンションを購入するときに忘れてはいけないのが、火災保険への加入です。マンションは火災には強い構造をしていますが、それでも消防庁のデータを見ると2023年にはマンションを含む共同住宅では38,659件もの火災が発生しています。
このような火災だけでなく、風災や水漏れなどのトラブルに備えるために火災保険への加入は必須です。
ただしマンションの火災保険商品は種類が多く、保険料にもばらつきがあります。このため契約するにしても、ある程度の知識が必要になります。そこでここでは、マンションの火災保険相場やおすすめの火災保険をご紹介しながら、比較検討のために必要なノウハウを解説していきます。
1番安い火災保険が見つかる
丸尾健 FP経験15年目
(1971.1生まれ)
株式会社N&Bファイナンシャル・コンサルティング代表取締役。大学卒業後、大手商社系ハウスメーカーの店長職を経て国内金融機関のファイナンシャル・プランニング部門に転職。FP経験現在15年目。新規年間相談件数120件前後、面談累計件数1,500件以上。主に個別相談を中心に活動する実務家FP。
【マンション版】火災保険おすすめ5選を比較
※スマホ横スクロール出来ます。
※各火災保険の保険料相場は下記条件で算出しています。
所在地:東京都
契約年数:1年・5年
建物の構造:M構造
建物補償額:1000万円
補償内容:火災・風災・水災・破損・汚損
メリット
- 保険料相場:16,500円/5年
- 補償内容を自分で選択できる
- ネットの申込みで保険料10%OFF
- 水災リスクが低いほどお得に
デメリット
- なし
免責金額(破損・汚損等):1万円、3万円
免責金額(風災・ひょう災・雪災害):0円、1万円、3万円、10万円、20万円、100万円
楽天損害保険のホームアシスト(家庭総合保険)は価格.com保険アワード2020年版火災保険の部で総合1位となった、人気の高い火災保険です。補償内容を自分で選べるだけでなく、ネットの申込みで保険料が10%安くなるなど、自分だけの火災保険を格安で作ることができます。
さらに水災リスクと保険料が連動しており、水災が発生しにくいマンションは保険料が安くなります。この他にも保険料の支払いで楽天ポイントを貯めたり、支払いに楽天ポイントを使ったりできるなど、ユニークなサービスを展開しています。
基本補償プラン
補償内容 | 可否 |
---|---|
火災、落雷、破裂・爆発 | ◯ |
風災、雹災、雪災 | ◯ |
水災 | 選択可 |
水漏れ | 選択可 |
外部から物体の 落下・飛来・衝突 | 選択可 |
盗難 | 選択可 |
破損・汚損 | 選択可 |
騒擾・集団行為等の暴力 | 選択可 |
・クレジットカード払い
・楽天ポイント払い
支払い方法は一括払いであればクレジットカード払いが可能で、通常は口座振替での支払いになります。また楽天ポイントでの支払いにも対応しており、1ポイント1円として利用できます。
メリット
- 保険料相場:16,830円/5年
- 手厚い保険金を素早く支払い
- 水災リスク縮小支払型に変更可能
- 充実した付帯サービス
デメリット
- なし
免責金額:なし・5千円・3万円・5万円
東京海上日動火災保険のトータルアシスト住まいの保険は、対応の早さと手厚い保険金で人気のある火災保険です。お客様満足度は96.9%もあり、実際に利用している人の多くが、損害発生時の迅速な対応と保険金額に満足しています。
水災補償のないマンションタイプを用意しているだけでなく、水災リスク縮小支払型への変更することで、出費を抑えつつも水災への備えもできるようになっています。また、鍵のトラブルや水回りのトラブルだけでなく、サイバートラブルにも対応する付帯サービスが用意されています。
基本補償プラン
補償内容 | 充実 | スタンダード | マンション |
---|---|---|---|
火災、落雷、破裂・爆発 | ◯ | ◯ | ◯ |
風災、雹災、雪災 | ◯ | ◯ | ◯ |
水災 | ◯ | ◯ | ー |
水漏れ | ◯ | ◯ | ◯ |
外部から物体の 落下・飛来・衝突 | ◯ | ◯ | ◯ |
盗難 | ◯ | ◯ | ◯ |
破損・汚損 | ◯ | ー | ◯ |
騒擾・集団行為等の暴力 | ◯ | ◯ | ◯ |
・クレジットカード払い
・コンビニ・郵便局・銀行での支払い
口座振替とクレジットカードは月払い、年払い、一時払いに対応していますが、コンビニ・郵便局・銀行で支払う場合には一時払い(全額払い込み)のみとなっています。
メリット
- 保険料相場:15,120円/5年
- 3つのプランと充実の特約で最適な火災保険を作れる
- 基本補償に免責金額を設定できる
- 割引制度を使った大幅値引きあり
デメリット
- なし
免責金額:なし・3万円・5万円・10万円・20万円
セコム損害保険のセコム安心マイホーム保険は、3つの基本プランがありそれらと特約を組み合わせることで自分にぴったりの火災保険を作ることができます。基本補償に免責金額を設定できるのでマンションの設備に応じて、保険料を抑えることも可能です。
さらに、オール電化住宅割引や長期年払割引などの割引制度を利用でき、オール電化マンションであれば、最大40%(約5%~28%)も保険料が安くなります。補償は充実させたいけど、保険料はできるだけ安いほうがいいという人向けの火災保険になります。
基本補償プラン
補償内容 | ワイド | ベーシック | スリム |
---|---|---|---|
火災、落雷、破裂・爆発 | ◯ | ◯ | ◯ |
風災、雹災、雪災 | ◯ | ◯ | ◯ |
水災 | ◯ | ー | ー |
水漏れ | ◯ | ◯ | ー |
外部から物体の 落下・飛来・衝突 | ◯ | ◯ | ー |
盗難 | ◯ | ◯ | ◯ |
破損・汚損 | 特約 | 特約 | 特約 |
騒擾・集団行為等の暴力 | ◯ | ◯ | ー |
・口座振込
・払込票払い
・クレジットカード払い
保険料の支払いは、口座振替・口座振込・払込取扱票払い・クレジットカード払いの4つの方法に対応しています。ただし、オンラインでの契約手続きを行う場合には、クレジットカード払いのみとなっています。
メリット
- 保険料相場:23,400円/5年
- リーズナブルな分譲マンション専用プラン
- 特約でスマートハウス・スマート家電のリスクにも対応
- すまいとくらしのアシスタントダイヤルで日常生活をサポート
デメリット
- なし
免責金額:なし・1万円・3万円・5万円・10万円
損保ジャパンのTHE すまいの保険「個人用火災総合保険」には、保険料が安い分譲マンション専用の基本補償プランが用意されています。安いだけでなく水災補償にも対応し、さらにはスマートハウス・スマート家電のリスクも特約でカバーするなど、最新のニーズに合わせた火災保険となっています。
水回りのトラブルや鍵のトラブルはもちろんのこと、法律相談や税務相談、健康・医療相談などの充実したサービスを受けることができ、生活の困ったを様々な角度からサポートしてもらえます。
基本補償プラン
補償内容 | ベーシックⅠ型 | ベーシックⅡ型 | スリム |
---|---|---|---|
火災、落雷、破裂・爆発 | ◯ | ◯ | ◯ |
風災、雹災、雪災 | ◯ | ◯ | ◯ |
水災 | ◯ | ◯ | ◯ |
水漏れ | ◯ | ◯ | ー |
外部から物体の 落下・飛来・衝突 | ◯ | ◯ | ー |
盗難 | ◯ | ◯ | ー |
破損・汚損 | ◯ | ー | ー |
騒擾・集団行為等の暴力 | ◯ | ◯ | ー |
・払込票払い
・クレジットカード払い
保険料の支払い方法は口座振替もしくは払込票のいずれかになっていますが、一括払いであればクレジットカードも利用できます。ただし、取扱代理店によってはクレジットカード払いに対応していないこともあります。
メリット
- 保険料相場:18,920円/5年
- 充実した特約で手厚く補償
- 24時間365日受付
- 共同住宅建物専用プランを用意
デメリット
- なし
免責金額 | |
---|---|
建物 | なし・1万・3万・5万・10万 |
家財 | なし・1万・3万・5万 |
あいおいニッセイ同和損害保険のタフ・すまいの保険は特約が充実しており、いざというときに手厚く補償してもらえます。保険料はやや高めですが、24時間365日受付で、金額に見合うだけの補償とサポートを受けることができます
また、水災なしの共同住宅建物専用プランや、補償内容を絞ったエコノミープランなどが用意されています。これらのプランと免責金額、特約を組み合わせることで、出費を抑えつつも満足度の高い火災保険を作り上げることも可能です。
基本補償プラン
補償内容 | フルサポート | セレクト | エコノミー |
---|---|---|---|
火災、落雷、破裂・爆発 | ◯ | ◯ | ◯ |
風災、雹災、雪災 | ◯ | ◯ | ◯ |
水災 | ◯ | ー | ◯ |
水漏れ | ◯ | ◯ | ー |
外部から物体の 落下・飛来・衝突 | ◯ | ◯ | ー |
盗難 | ◯ | ◯ | ー |
破損・汚損 | ◯ | ◯ | ー |
騒擾・集団行為等の暴力 | ◯ | ◯ | ー |
※このほかにセレクト「破損・汚損なし」プランやセレクト「水災、破損汚損なし」プランがあります。
・払込票払い
・クレジットカード払い
保険料の支払い方法は口座振替、払込票払い、クレジットカード払いの3種類から選べます。ただし分割払いを希望する場合には、指定口座からの口座振替のみとなっています。
火災保険は複数の保険会社で比較しよう
マンションの火災保険を選ぶときに、いきなり1社に絞ってしまう人がいますが、これはあまりおすすめできません。同じ補償内容であっても保険料は保険会社ごとに違いますので、まずは2〜4社程度に見積依頼をして、提出された見積もりを比較検討して最適な選ぶのが理想です。
ただし、1社ずつ依頼をするのは手間も時間のかかってしまいますので、複数社に見積依頼をする場合には火災保険の一括見積りサイトの利用がおすすめです。火災保険の一括見積りサイトを使えば1度の申込みで複数社に見積依頼ができ、早ければその日のうちに見積書をもらえます。
また、火災保険の一括見積りサイトの中には、ただ見積書を出すだけでなく、最適な火災保険を選ぶためのサポートまでしてくれるサイトもあります。自分で比較検討するのが難しいという人は、そのようなサービスを行っている火災保険の一括見積りサイトを利用しましょう。
\1番安い保険が見つかる/
火災保険の基本的な考え方
それではまず、マンションで火災保険に加入するときに知っておきたいポイントを解説します。なぜ火災保険が必要なのか、どのような点に注意して選べばいいのかなど、基本的な部分をしっかりと頭に入れておきましょう。
耐火性能が高いマンションでも火災保険は必要
マンションは木造住宅と比べると火災に強いイメージがあり、わざわざ火災保険に入らなくても大丈夫なのでは?と思うかもしれませんが、下記の2つの理由でマンションでも火災保険は必要です。
- 火災はゼロではなく様々な損害が発生する(火災以外にも様々な損害が発生する)
- 住宅ローンを組むときに火災保険が必須になっている(住宅ローンを組む場合)
マンションはコンクリートと鉄筋で作られているので、構造物としては燃えにくいのですが、例えば和室の畳や襖などは比較的燃えやすく、そこから家具などに火が燃え移ってしまうこともあります。さらに、上の階からの水漏れなども考えられますし、台風で看板や屋根が飛んでくるというリスクもあります。
どんなマンションでも100%の安全はなく、わずかでも損害が発生する可能性がある以上、それに対する備えとして火災保険への加入は必要になります。
また、住宅ローンを組んでマンションを購入するという人が多いかと思いますが、この住宅ローンを契約する条件に火災保険への加入が必須になっています。
保険未加入で火災などが起きた場合、修理費用とローンの二重払いになり、支払いで生活が圧迫されローンの滞納につながる可能性があるためです。
このような2つの理由から、マンションを購入するときには必ず火災保険に加入することになります。
専有部分だけの加入でOK
マンションの火災保険は建物補償が1,000万円程度しかないため、これでは火災が起きたときに買い直しができないため、マンションの火災保険は意味がないと思っている人もいるようですが、マンションは一戸建てと違い、火災保険の対象となるのは専有部分のみです。
火災保険はこの専有部分を原状回復するための保険ですので、1,000万円もあればほとんどのマンションで問題なく修理できます。
では共用部分にまで火災が広がった場合はどうするのでしょう。共用部分に関しては管理組合で火災保険に加入しており、その保険を使って原状回復します。
このように火事を起こしても、影響のあったすべての部分を自分の保険で補償する必要はないため、一戸建ての火災保険と比べるとマンションの火災保険は保険料が低くなっています。
マンションでも水災の補償も考えておく
マンションの火災保険を検討するときに「マンションは水災について考えなくていい」とアドバイスしてくれる人もいますが、これは必ずしも正解とはいえません。例えば周囲と比べて低い場所にあり、近くを川が流れているマンションの1階は洪水時に浸水する可能性があります。
さらに地下に電気設備があるタワーマンションなどでは、マンション全体が停電するといった被害にあうことがありますが、これも水災として扱われるので、火災保険が水災に対応していないと停電による被害を火災保険で補償することができません。
必要に応じて地震保険にも加入する
水災と同じく、地震保険も加入するかどうか検討しておく必要があります。地震の場合も対象となるのは専有部分だけですが、壁や天井にヒビが入った場合や、家財が揺れで壊れた場合など、地震保険に加入していないと補償を受けることができません。
阪神淡路大震災では大規模な火災が発生しましたが、そのような被害を補償するには地震保険に加入しておく必要があります。
もっとも、マンションの地震保険は保険料が高くないため、悩むくらいなら加入しておくのがおすすめです。実際にマンション入居者の7割以上が地震保険に加入しており、いざというときのために備えています。
マンションの火災保険は節約しないこと
火災保険を選ぶときに保険料の安さを重視する人がいますが、その選び方はおすすめできません。火災保険選びで重要なのは、補償内容や補償金額が自分のニーズを満たしているかどうかということです。
例えば、川沿いにあるマンションの1階を購入した場合には、水災も考慮しておく必要がありますが、保険料が安いからといって、水災が対象外となっている保険を選んだのでは本末転倒です。
きちんと必要な補償を受けられる保険を選びましょう。
そもそもマンションの火災保険は保険料が安く、補償を充実させても10年間で数万円の違いにしかなりません。1年あたり数千円を節約させて十分な補償を受けられない保険に加入するよりは、少しくらい高くても、いざというときの出費を抑えられる保険に加入するのが賢明です。
もちろん同じ補償内容の保険なら安いほうがいいのですが、少しでも安く抑えようとして、いざというときに困るのは自分です。過剰な補償は必要ありませんが、必要以上に節約意識を持たずに火災保険選びを行いましょう。
マンションの火災保険相場
マンションの火災保険について、その考え方を理解してもらえたところで、いよいよ火災保険相場についてご紹介していきます。マンションは地震保険の加入がおすすめとお伝えしましたので、火災保険相場のみの相場と、地震保険ありのときの相場に分けて見ていきましょう。
補償内容ごとの火災保険相場
火災保険相場は水災を補償するかどうかで保険料が変わってきますので、それぞれのケースでの相場をご紹介します。
水災補償 | 1年 | 5年 |
---|---|---|
なし | 2,070円~4,000円 | 9,970円~18,000円 |
あり | 3,430円~7,300円 | 15120円~32,700円 |
建物構造:M構造
築年数:新築
建物補償額:1,000万円
建物補償額を1,000万円とした場合、水災補償なしの相場は5年契約で9,970円~18,000円と戸建てよりもかなり安い保険料になっています。水災補償を付けても15120円~32,700円が相場で、マンションの購入価格を考えればほとんど誤差の範囲内です。
建物補償額を上げたりや家財補償を付ければ、それに合わせて保険料も上がりますが、想定していたよりもかなり安いのではないでしょうか。
水災補償を付けても、それほど高額にはなりませんので、タワーマンションや川沿いにあるマンションの1階など不安要素がある場合には、水災補償ありの保険に加入しておきましょう。
地震保険料相場
マンションの地震保険はそれほど高くないとお伝えしましたが、地震保険の有無で保険料がどれくらい変わるのか比較してみましょう。
地震 | 1年 | 5年 |
---|---|---|
保険なし | 3,430円〜7,300円 | 15,120円~32,700円 |
保険あり | 15,830円~19,700円 | 73,270円~90,850円 |
建物構造:M構造
築年数:新築
水災補償:あり
建物補償額:1,000万円
地震保険ありの火災保険相場は地震保険なしの約6万円アップになります。保険料が2〜4倍になるので人によっては大きな差に感じるかもしれませんが、1ヶ月あたりで考えると500円程度の差でしかありません。しかも地震リスクの低い地方では保険料がもっと安くなります。
この程度の金額を節約して、いざというときに補償を受けられないのはもったいないですよね。どうしてもお金を用意できない場合を除いて、できるだけ地震保険にも加入しておきましょう。
まとめ
マンションの火災保険相場は戸建てと比べると安く、10年契約でも地震保険なしなら4万円前後で加入できます。もっと安く抑えることもできますが、いざというときの補償金額が少なくなってしまったのでは、保険に加入する意味がなくなります。
補償を絞って節約したところで、それほど大きな金額差になるわけではありません。水災補償や地震保険で迷うかもしれませんが、迷うくらいなら付けておきましょう。まとまった金額を用意するのが難しいなら、支払いの少ない短期契約にしてでも補償内容を充実させましょう。
また、火災保険に加入するときには比較検討することが重要です。最初から1社に絞るのではなく火災保険の一括見積りサイトを使って、複数社から見積もりをもらいましょう。
ちなみに火災保険の窓口では保険選びのサポートまでしっかりと行っていますので、自分で比較検討するのが難しそうと思う人は、ぜひ活用してください。
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